「健診で尿潜血の指摘があり、‛ひつにょうきか’で精査をしてもらうようにと健診検査報告書に書かれていたため受診しました。」
このように患者さんの中には、いまだに「泌尿器科」を「ひつにょうきか」と呼ぶ方が時々いらっしゃいます。
悲しいかな、名前をしっかりと覚えてもらえないのは、マイナー科の宿命なのでしょう。(*内科や外科がメジャーと呼ばれるのに対して、我々医療人は泌尿器科等をマイナー科と呼んでいます。)
膀胱炎の治療を最も得意としている診療科はやはり泌尿器科です。 膀胱炎には「急性膀胱炎」、「慢性膀胱炎」、「単純膀胱炎」、「複雑性膀胱炎」、「間質性膀胱炎」などがありそれぞれ治療法も異なります。 また、膀胱炎によく似た症状の中には、膀胱がんや膀胱結石、子宮がん、尿道憩室炎など診断がむつかしい疾患もあり、泌尿器科専門医であればこれらの疾患をしっかりと鑑別して適切な治療を施していくのですが、膀胱炎の患者さんの大半は内科や婦人科を受診されているのが現状です。 実際には単純膀胱炎が多いため抗生剤の短期服用で治癒する事が多いのですが、『膀胱炎は泌尿器科』と皆さんに浸透していただけるように日々の診療に勤しみたいと思います。
2019.02.14