PSA(前立腺腫瘍マーカー)の異常
人間ドックや検診でPSA値の異常を指摘されると泌尿器科で二次検診を受けるよう指導されます。(または紹介状をもらいます。)
そこでPSAについて簡単に説明をさせていただきます。
前立腺の組織が破壊されるとPSAという蛋白は血液中に漏れ出してしまうため、血液検査でPSAの値が異常高値を示します。
要するに、血液検査でPSAの値が高い場合には前立腺の病気の存在が示唆されるのです。
PSA値が異常高値を示す疾患には、①前立腺肥大症、②前立腺炎、④前立腺がんの3つが挙げられますが、その鑑別診断は泌尿器科専門医で行います。
泌尿器科専門医ならば症状の経過、超音波検査、尿検査、触診(直聴診)で診断は予想がつきますが、がんが疑わしい場合にはさらにMRI検査や針生検を行います。
前立腺がんはもともと欧米に多い疾患でしたが、食生活の欧米化に伴い近年では日本でも罹患率が急増し、2020年には前立腺がんはすべてのがんのなかで肺がんに次いで2番目に高い罹患率になると予想されています。(*1)
いかなる病気も早期発見、早期治療が大切です。 PSA値の異常を指摘されたら躊躇せず早めに泌尿器科を受診してください。
当クリニックでは、同仁病院、浦添総合病院、おもろまちメディカルセンター等と連携しMRI検査を潤滑に行える上、前立腺針生検も当クリニックで施行可能ですのでPSA値の異常を指摘されたら遠慮なくご相談下さい。
(*1)参考資料: 大野ゆう子、中村隆、他.日本のがん罹患の将来推計-ベイズ型ポワソン・コウホートモデルによる解析に基づく2020年まで