排尿障害で尿道カテーテルを長期留置していると、カテーテルや蓄尿袋が青紫色になってくる事があります。 患者さんや家族の方は変色した蓄尿袋やカテーテルを見て驚いて相談に来られますが、結論から言うと「悪い病気ではないので慌てる必要はありません。」
この現象を、紫色蓄尿バック症候群(Purple Urine Bag Syndrome)といい、尿中に含まれている『インジカン』という物質が、尿中の「ある細菌」によってインジゴブルーとインジルピンという色素に分解され、これらの色素が尿バックやカテーテルに沈着することで藍色~紫色に見えるのが原因です。
紫色蓄尿バッグ症候群は便秘と尿路感染により生じる事が分かっており、発熱等の症状が無ければ原則抗菌薬を投与する必要はありません。尿路カテーテル長期間留置の必要性を再検討(可能なら抜去),排便のコントロール,飲水を促して尿量の確保を行う等で対処します。